私が360°VRパノラマと出会う前から一緒に潜っていた、とあるご婦人のダイバーがいました。
彼女はダイビングが大好きで世界中の海を潜り歩いていたのですが、ある時ご主人から「彼女は病気でもう二度と海には潜れないだろう。」という連絡をいただきました。
ちょうどその頃、やっと陸上でのパノラマが作成できるようになり、いよいよ水中パノラマで真栄田岬のバーチャルツアーを作ろうと思っていました。
だから、「なんとかして(バーチャルでもいいから)病院のベッドの上で、もう一度彼女を潜らせて(潜った気分に)させてあげたい。」と思い、その年の一夏をかけて完成を目指していました。
ところが、完成する前に彼女は他界してしまったのです。
とても悔しくて残念な思いをしたのですが、その後完成した真栄田岬の水中パノラマを他の方々に見てもらうと、口を揃えて「まるで水中にいるみたい。」という感想が返ってきます。
今さら悔やんでも悔やみきれないことですが、パノラマというのは本当にその場にいるかのような感覚を持つ事ができます。
だから、現在彼女と同じようにダイビングが好きでも病気などの理由により潜れないという人に、少しでも多く水中パノラマを見て潜った気分になってもらえればと思い、できるだけたくさんの場所のパノラマを公開していきたいと思っております。
もちろん水中風景だけでなく、風光明媚な陸上の風景もそうですが、何らかの理由でその場に行けない人のために、パノラマの技術を使ってできるだけ多くの方に「行った気分」になってほしいので、今後もライフワークとしてどんどんパノラマを作成・公開していけば天国の彼女も喜んでくれるでしょう。
私にできるのはこれだけですが、このサイトはweb上で公開しています。ネット環境さえあれば誰でもどこでもその場に「行ける(行った気分になれる)」のです。
ですから、是非このサイトを見た(知った)方は、実際に見る事ができない人に見せてあげてもらえないでしょうか?
このサイトを知っている人が行動することで、身近な人が少しでも楽しくなれれば、と思っています。